社長メッセージ

亀野宙一

 自動車業界は、CASEやMaaSの動向による変化や、BEV・NEV化を受けて、これまでにない非常に重要な転換期となっています。また、新型コロナウィルスの影響も受けた人々の生活様式の変化やSDGs、中でもカーボンニュートラルへの取組み意識は益々高まり、輸送機器用ファブリックを主力とする弊社を取り巻く事業環境は大きく変化してきております。

 弊社は2010年の操業開始以来、創業の母体となったトヨタ紡織、川島織物セルコン、龍村美術織物の180年に至る歴史のある伝統の力、顧客のニーズを的確に掴み、デザイン・技術・営業が一体となって具現化するチーム・ワークの力で、多くの魅力的なファブリックを世界中のお客様に提供してまいりました。近年は最高級ヌバック調表皮であるBRIN・NAUB®や、拡大基調にある合成皮革の市場に対応したSILCREVE®など製品領域の多様化を図り、お客様の高評価をいただいております。

 今般、2020年のインドでの合弁以降、北米地域での生産委託、グローバル業務提携など協業関係にあるAUNDE Achter & Ebels GmbH(本社:ドイツ 以下、AUNDE社)からの出資を受け、2024年11月より「アウンデ紡織」として新たな体制でのスタートを切りました。欧米自動車メーカーを取引基盤としてもつグローバル大手のAUNDE社グループの一員となり、更に協業を進めることで、当社は真のグローバルサプライヤーへと進化し、新製品開発力など競争力を強化して参ります。

 これまでも、シェアカーや自動運転車など未来の移動空間を見据えた防汚・抗菌・抗ウイルス・除電などの機能薬剤や光の透過で情報表示を行うファブリックなどの開発、カーボンニュートラル対応として環境負荷低減の原材料使用に留まらない原材料の循環型リサイクルに対応した革新的モノ造りなどに取り組んでまいりましたが、今後はAUNDE社のもつ技術・製品も活用し、更にご満足いただける商品をお届けするとともに、幅広く皆様の生活の安全・快適に貢献していく所存です。

 新体制の元でも、お客様との徹底的なコミュニケーションを図り、社員全員が「一枚岩」となってたゆまぬ努力を続けてまいりますので、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長
亀野宙一